正体不明のお色気美女

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【ターンAガンダム】第04話 感想:アジ大佐殺害計画

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【第04話:ふるさとの軍人】

ポゥ「椅子に座っているだけで、地球に帰れるのか?戦争になっているんだよ!」

あらすじ:遂に月と地球の間の交渉が始まった。/ ウァッドやハリーの初登場回だったり、ソシエがメシェの一言で仇討ちを決心する回であったり、ロランが月の陣地において度胸を見せる回なのだが、細かいので全部は取り上げない。

 

ロランのレトリック

 ロランがポゥにムーンレィスとして名乗り出て、ソレイユに潜入した目的とは。

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ハリー「深呼吸をしたまえ、ロラン君」
 ロランはDCが無闇に攻勢に出て、これ以上の戦争状態が発生しないように牽制をしたのである。それが今回の潜入の目的である。
 この場面におけるレトリックはこうだ。
ロラン「ヴィシニティではモビルスーツの噂は聞いたことはないんです。ですが、夏至の日の成人式の夜、ウォドムがマウンテンサイクルに砲撃をしました。その直後にホワイトドールの石像が崩れて、モビルスーツが出てきたといいます。僕は、お屋敷が空襲で焼けたので、その消火のほうに気を取られてしまったんです。」1503参照のこと
 おヒゲが出てきたということは「伝聞」にして、自らがおヒゲのパイロットであることを隠しているのである。さらに、
ロラン 「シドという山師は、黒歴史を証明できる宇宙兵器を掘り出せると言っていました。ミリシャの為に、~~」
 と、ミリシャ側にも月側に対抗出来る戦力はあるようなものなんですよ、と言ってみせる。
 このように、ロランは自らがおヒゲのパイロットであることと、発掘に関わる者であるという状況を生かして、あえてミリシャの戦力の増強を助けることになる「発掘現場」へとDCの気を逸らさせることで、戦争状態の発生自体はもちろん、市街地や民間人への被害を減らそうとしたのである。
 これがロランの使ったレトリックである。ただ、このことが実際にうまく効果を発揮したかと言えばそうでもないというのが、ままならないところなのである。ちなみに、ロラン自身もこの状況で嘘をつくのは流石に気が張ったのか、この語りの途中で一回気絶しかけている。また、ウソを付いている場面では画像のように少しだけ目を伏せるのが、芸の細かいところだ。
 

 アジ大佐殺害計画

 問題の場面は19:45からの交渉シーンだ。

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アジ大佐「戦いで決着をつけようというおつもりか?」
 左上の真ん中にいるアジ大佐が、右上画像で左前の長老にボウガンで胸を撃たれるのだが...。三枚目の矢の刺さり具合を見れば分かる通り、矢の角度的にボウガンを机の上に出して撃ったであろうに、ボウガンを取り出す音はおろか、誰も殺される直前で声一つ上げないのである。特に月側の両サイドの人間は何故気付かなかったのか。考えるにアジ大佐は仲間にハメられた人間なのだ。彼が事前に殺されることは月側の計画の内で、最初から彼らは和平交渉に望む気はなかったということだ。
 そうなると両サイドの二人はアジ大佐とは意を反していたことになるのだが、まずフィル大尉はそれがあり得る。何故ならばフィル大尉が属するDCの軍部における地球部隊のただ一人の上司がこのアジ大佐だからだ。つまりフィル大尉は上司の戦死を利用して軍部の実権を握ろうとしたわけだ。実際、アジ大佐が死んだ後はフィル大尉は昇進もして少佐になる上、軍を独断で動かすようになる。
 ではディアナ直属のDC親衛隊、ハリー中尉はどうなるかというとこっちは微妙である。親衛隊なだけあって女王ディアナが全てなのでそれに則ればまず殺し自体を認めないはずだ。だからこの場面では声を上げてもいい。これは私の推測だが、きっとハリー中尉はこのレッド・グレア・サングラスの奥では瞼を閉じていたのである。つまり寝ていたのだ。変な話しに聞こえるかもしれないが、辻褄は合っている。
 というのも、彼がこの交渉においては、心の声を発してからアジ大佐が殺されるまでに「20秒の間」があるのだ。20秒。そう、人が居眠りするには十分な秒数だ。ハリー中尉はこの地球に降り立ったときにとてつもなく上機嫌で高笑いをしていたので、はしゃぎすぎて疲れていたに違いない。
 要するに、アジ大佐はフィル大尉には見殺しにされて、ハリー中尉には寝過ごされていたわけである。哀れアジ大佐。あとグエン公については、キースの語る通り戦争による技術革新を楽しんでいる節があるので、この人も信用出来ない。このように、アジ大佐の死は偶然による必然だったというわけだ。